ライブ動画の拡散について
こういう感覚もあるんだなと。
以前に漫画の話でも触れたが、もう拡散を防ぐという発想は古いとぼくは思っている。
①今はスマホで比較的高画質高音質に撮影や録音が出来、即データ化される。
②データは劣化無く無尽蔵にコピーが可能である。
③そのデータはインターネットに乗って、世界のあらゆるところを瞬時に移動できる。
④それを公開することで、お金や、ポジション、人気などを得ることが出来る。
この流れがある。
④に関してはアンチも生むが、それは人気やポジションが上がった証である。
さて、動画の拡散を防ごうとするのは、波にさらわれ崩れる砂の城をなんとか守ろうとするのと同じですよということなのだが、これにファン心理の話が加わる。
ジャニヲタに限らず、アイドルのファンというのは、アイドルを守ってあげたいという心理があるようだ。正直、守ってあげたいと思っている方々よりも、アイドル側のほうがよっぽど守備力も高いし、何なら攻撃力も高い。しかし、そのチリが積もって山となっている。
これはぼくの主観でしかないが、海外や音楽を主体とするアーティストのファンは比較的動画などの拡散に寛容な気がする。
先日weekndというカナダのR&Bシンガーのライブを観に行ったのだが、みんなスマホで撮りまくりだし(一応運営は止めようとしてたけど)、多分youtubeとかにも沢山アップされていると思う。ライブ行く前に、香港やバンコクでのライブの動画が沢山上がっていたのは観たので、日本だけ例外ということは無いと思う。
(余談だけど、weekndのライブは今どきもぎったチケットをエリア入退場の度に見せる(ドリンク両手に持ってるのにチケット出せとかアホかと!)、ドリンクの並び列がカオス、男子トイレは外のみで、元々の男子トイレは女子用に開けたっぽいがアナウンス無しなのでガラガラというダメ運営でした。ライブの規模も海外の動画に比べるとちっちゃいし。weekndは良かったからいいんだけどね。)
アーティストも拡散された動画が広告になるとわかっているから、運営サイドもある程度は許容したりする。
これの最たるものはウルトラなどのEDM系フェスで、むしろ積極的にUPを促しているし、DJもsoundcloudなどにMIXをupして予習・復習させるのだ。
こういったフェスのファンはDJやアーティストに対して比較的ドライなので、アーティストを応援したい、素晴らしいと思っても、守ってあげたいという発想はない。
結局のところ、ライブは体験を販売しているので、よほどの少人数で行うものでない限り、それを記録に残したいという欲を消し去る事は、もう物理的に無理だと思う。そして、前述の通りそれを公開したいという欲も抑えることは難しい。それであれば、どんどん撮らせて拡散させるライブにスタイルを変えてしまう方が良い。それをファンが喜ぶビジネスに変えてしまえばいい。例えば、拡散した動画を集めてファン専用の動画サイトなどを作ってしまえばいいのだ。サイト限定でのカメラアプリの販売などにも繋げられるし、一個人が「守ってあげたい」とか言うより、そっちのほうがよっぽどアイドルを守れる。
今は運営が眼の前のファンを守るという方向なので「お金を出してライブを観に来たファン」を守る事を最優先としているが、こんなのは数年で風向きが変わるだろう。
その時に裏切られたと思わないためにも、盲目なファンですら現実を認識出来るように誘導していくことも運営の役割だと思うのである。