集英社の決断で思う事
以前漫画村が大フィーバーしたときに、以下のような記事を書き、下書きに残していた。
こんにちわ。電車で人のスマホを覗き見するのが趣味というか特技なおれです。
わかるんですよ。これが流行ると漫画売れなくなっちゃって、出版社苦しむし、作家に分配されなくなるって事。たぶん、みんなわかってるんですよね。
でも、読んじゃう。だってタダだもん。別に、おれが私がお金払わなかったところで、大してダメージないでしょって感じですよね。
しかし、その意識は恐ろしく、多分相当な規模の損害になっています。
そこで、最近は漫画家が危機意識を持ってほしくて警告漫画を描いたりしてるわけです。
でもね。
音楽の世界ではナップスターやウィニーが登場したころからこの手の問題はあったし、何なら発売前の音源がリークしたりという事も頻繁に起こってました。そこでアーティストは敢えて無料で音源を開放してライブやグッズで収入を確保する方向に走ったり、自身でプレミアパッケージを売りさばいて利益率の高い商品を販売したりと、試行錯誤して生き残っているわけです。
漫画家は、作品を出版社に売ってもらうという時代が終わりに近づいてきている事をもっと意識した方がいい。
漫画は音楽ライブのようなものは出来ないけど、プレミアムパッケージなんかはそっくりそのまま真似出来るし、ユーザーがセリフを投稿出来る参加型の漫画コンテンツを作ったり、キャラクタービジネスへの足がかりにさせたりと、無料を逆手に取って売るフリーミアム的な方法はいくらでもある。
ぜひ、この機会を漫画家の皆さんもチャンスと捉え、新たなビジネスを考えて、新たなエンターテイメントを生み出して欲しいと思います。
ちなみに、漫画村はPDFをWEBで表示しているだけなので、ユーザビリティの面で専用のビューアに比べてだいぶ劣ります。いずれ、淘汰されるものと思います。
今回の集英社のサイトは、広告収入を作者に分配するものだそう。
今集英社が抱えている人気コンテンツがあるうちはこれで一定の読者は獲得できるだろうと思う。ただ、これで作者にどれだけ還元されるのかわからないが、名前のある作者なら、次回作以降は自分のWEBで公開したほうが収益も多いだろうし、制約も少ない。
出版社が生き残るためには、作者とのコミュニケーションをとり的確なアドバイスができる編集者がいること、個人で開設するには負担が大きすぎるサイト投資などを行えること、リアルのイベントなど大掛かりなプロモーションができることが求められると思う。
逆に、作者が自らチームを作って同様の業務を行う事も十分考えられる。なにせそのほうが小回りがきくし、作者の意思を的確に反映できる。
近いうちに、ビッグネームがこうした行動に出るだろうと思う。
出版社は、そういったフリーの漫画家にプロモーションを販売できる構造にしておく必要があるのではないかと思う。